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【長野】静かな湖畔の森の翳から

aug.2016

先週末は昨年に続き、長野の木崎湖でキャンプを楽しみながら出店するという魅惑的なイベント、ALPS BOOK CAMP2016に参加してきた。

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のっけから出身エリアの話をして恐縮だが、信州と違い関西には湖畔と呼べる場所がとにかく少ない。琵琶湖は日本一の大きさを誇る湖だが、湖畔と呼べる雰囲気を醸し出している場所は奥琵琶湖エリアのごく一部だけで、関西人にとってはほとんど「海」レベルの認識だ。ほかにも東条湖や銀山湖、津風呂湖などがあるがすべて人造湖で、野宿するには「湖畔感」がまったく足りない。バス釣りが好きな人には最高の場所かもしれないが、自分には目的の場所とはならない。

その「湖畔感」だが、旅の宿場として自分が湖畔に求めるのは静寂だけではない。鳥の声はもちろん、子供のはしゃぐ声が遠くから聞こえたりテントを立てる時のペグを打つ音が聞こえる方が、逆に静寂とのコントラストが明確になるようで心地いい。さらにバーナーに火を入れ、炎の音を聞きながらアナログチューナーで地元のAMラジオを小さく流し(流れている曲は決してプロコル・ハルムの青い影のような感じではない)、昼食の準備中に水紋の木漏れ日を見つけたりすると、それだけで「静かな湖畔感」がめっぽう昂る。

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自分にとって由緒正しい「静かな湖畔」で好き勝手に野宿したりすると、いろんなことが、もうどうでもよくなって、食べたり呑んだり語ったり、そしてのんびりと本を読んでみたりするのが楽しみになったりする。わたしたちの本『RND_輪土』では全国の知らない町の歴史や風習などを取材しているが、その時の宿泊先をすべて地元の民宿泊にしているのも「取材のテンションを下げない」為に他ならない。そう、静かな湖畔で宿泊しようものなら、精神的に一発で腰砕けになってしまうからだ。

前置きが長くなった。木崎湖の話である。

この木崎湖は、まったくもって由緒正しい「静かな湖畔」。

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前出の旅本『RND_輪土』を中心に出店はしたが、もうほとんど腰砕け状態だったのは内緒だ。。。

多くの人々が訪れ大勢キャンプをしていた3日間のイベントだったが、快適な宿泊環境を維持していたのは恐れ入った。夏の富士五湖でキャンプをすると必ず馬鹿騒ぎをするキャンパーがいるがここには誰もいない。北海道や山岳キャンプ場のようで、これはもう木崎湖という空間がなせる技だろうか(木崎湖の他のイベントなどを見ていないので、これは完全なる思い込みかも知れないのだが)。

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自分的にも新しい出会いや懐かしい人との再会があった木崎湖。今度はオフシーズンにバイクで野宿に来ようと思う。

[文/写真:前田義生]

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